基本情報

【基本情報 平成15年春期 午前問40】ADSLに関する問題を解説

ADSLに関する記述として,適切なものはどれか。

 既存の電話回線(ツイストペア線)を利用して,上り下りの速度が異なる高速データ伝送を行う。

 電話音声とデータはターミナルアダプタ(TA)で分離し,1本の回線での共有を実現する。

 電話音声とデータを時分割多重して伝送する。

 光ファイバケーブルを住宅まで敷設し,電話やISDN,データ通信などの各種通信サービスを提供する。

ADSLに関する問題。選択肢の中にはADSL以外のインターネット接続サービスに関する用語がちりばめられています。ちゃんと他のものと区別がついているのかを問われています。

インタネット接続サービスには回線の種類などによりいくつか種類があります。例えばFTTH(現在の主流)やADLS、CATVなどです。

それでは一つずつ選択肢を見ていきましょう。

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アの解説

 既存の電話回線(ツイストペア線)を利用して,上り下りの速度が異なる高速データ伝送を行う。

ADSLに関する記述です。したがってアが正解。ADSLは電話回線を通じてインターネットに接続するサービスです。

イの解説

 電話音声とデータはターミナルアダプタ(TA)で分離し,1本の回線での共有を実現する。

ADSLの場合、スプリッタという装置を使って電話音声とデータの周波数を分割します。ターミナルアダプタはIDSNというサービスで使うもので、データのアナログ/デジタル変換を行うものです。したがってイは不正解

ADSLは次のような感じで接続します(汚い図で失礼)。

ちなみにスプリッタはこんな装置です。これはELECOMのLD-ADSLSP3っていう商品です

出典: Amazon

 

ウの解説

 電話音声とデータを時分割多重して伝送する。

「時分割多重」というのは時間を細かく分けて多重化する方法です。要は時間ごとの順番でデータ分割してデータを区別する方法です。

ADSLでは周波数分割多重という方法で多重化を行い通信します。複数の周波数にデータを多重化し、先ほど説明したスプリッタを使って音声用周波数のものとデータ用周波数のものに分割します。

したがってウは不正解

エの解説

 光ファイバケーブルを住宅まで敷設し,電話やISDN,データ通信などの各種通信サービスを提供する。

光ファイバケーブルを住宅まで敷設し」はFTTHというサービスの説明です。したがってエは不正解

HTTHはいわゆる「光回線」を提供するサービスで、現在はこれが主流です。

なお、「電話やISDN,データ通信などの各種通信サービスを提供」という後半の文はいろいろ混ざっててでたらめな文章です。