新型コロナウィルスの影響で暴落し続けていた日経平均が、いきなり急上昇した。
気温も暖かくなり、日本では早くも新型コロナ収束ムードが漂っている所もあるようだが、まだ安心はできない。これは日経平均も同じだと思う。
今回の上昇も何かいい材料があったわけでもなく、「なんとなく上がっただけ」なのだと思う。ニュースを見ると「アメリカの景気対策に期待」とか「オリンピック延期報道による材料出尽くし」などとそれらしい理由づけがなされているものの、あまり信用できない。
実際は空売り勢の利益確定などで上昇を始め、底値で空売りした連中の損切りなども相まって上昇方向へ勢いが付いたのではないだろうか。
一度勢いが付けばそれなりのところまでは上昇するとは思う。「よくわからん感じで上昇したし、すぐ戻るだろう」といった思惑で空売りを仕掛ける方々もいるだろうから、そういった人たちを燃料にしてどんどん上昇する可能性はある。
しかし、ある一定のところまで上昇したらまたすぐに下降するだろう。実体経済に上昇理由を付けられないので、「もう限界」と皆が判断すれば一気に投げ売られる。
どこまで上昇するのかを考えてみると、こういった場合は「キリのいいところまで行く」ということが多いので、25日移動平均線や75日移動平均線、13週移動平均線や26週平均線にぶつかるところまで上昇するのではないだろうか。となると日経平均は2万円くらいのところまでは行くかもしれない。
「どこまで上昇するか」のシナリオをある程度頭に入れておくことで、次に来る下げに対応できるようになる。シナリオ通りのところまで上昇したら、さらなる上昇を目指して追撃買いをするよりも、底値で買ったものを利益確定したり、逃げ遅れた銘柄の損切りなどをしたほうが良いと思う。
なお、ここまでは「一旦底をつけたのである程度上昇する」というシナリオについて考えてきたが、明日になってまたすぐに下降しだす可能性も捨ててはならない。
ともかく、上昇を見て慌てて株を買うということは控えたい。新しく参入するなら「早乗り早売り」を心がける。繰り返しになるが、決して慌てないことが大切だ。