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【勉強メモ】『デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査』の解読メモ

デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査という資料を見つけた。これはIPAが行った調査である。

近年、AI(人工知能)やIoTをはじめとする先端技術の利活用が急速に進展し、ビジネスの高度化が進むなかで、企業間の競争がますます激化しています。また、このような環境の中で、製品・サービスの差別化を図り、市場における自社の勝ち残りを実現するためには、デジタル技術を効果的に活用し、他社に先駆けて成果に結びつけることが極めて重要な経営課題となっています。このように、デジタル技術の活用によって企業のビジネスを変革し、デジタル時代にも勝ち残れるように自社の競争力を高めていくことは「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」と呼ばれ、これらの取組みに対する注目度が、急速に高まりつつあります。

このような状況を踏まえ、我が国の産業界におけるDXの取組み状況や進展状況とともに、DXの推進にあたって企業が感じている課題などの把握を目指し、アンケート調査及びヒアリング調査を実施しましたので、その結果を下記のとおり公開します。

引用元 – デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査

私は最近、システナという会社の調査記事をアップロードした。この会社はDXをテーマにサービスを展開していて、最近好調である。

システナの調査の中でDX技術に興味を持ったので、少し調べてみようと思い、この資料にたどり着いた。

この記事は、この資料に関しての個人的なメモである。あまり人に見せることを想定していない。いずれ、しっかりとした外用のDX解説記事を作るかもしれない。

なぜデジタル・トランスフォーメーション(DX)なのか

「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」とは、AI や IoT などの先端的なデジタル技術の活用を通じて、デジタル化が進む高度な将来市場においても新たな付加価値を生み出せるよう従来のビジネスや組織を変革することを意味している。

要は、進化し続けているデジタル技術を使いこなしましょう、古臭いやり方に固執するのはやめましょうということか。

自分の会社だけでは専門知識を持つ人材の確保やらが難しいから、システナのようにDXをサポートする企業が流行るわけだな。

現在において“先端”技術と言われるこれらのデジタル技術も、近い将来には、“当たり前”の技術となる可能性が高い。DXとは、このように、将来主流になると予想されるデジタル市場において、今後も既存の企業が淘汰されず、勝ち残り続けるために、まさに今、多くの企業にとって必須の経営課題として求められている変革であるといえる。

「デジタル技術?なんか難しそうだし、いままで使わなくても大丈夫だったんだから、スルーしても大丈夫やろ」みたいな考えでは、新しい技術をどんどん導入する企業との差が開くばかり。

競争力を培うという意味では、今後当たり前になるであろうデジタル技術への対応力を身につける必要があるわけだな。

今後は「デジタル化への対応状況」が決算資料などから伺えることが、投資判断として重要になる可能性もある。

実際に現場の人たちがどれだけデジタル技術の脅威に晒されているかに関するアンケート調査の結果。

「デジタル技術の脅威に晒されている」というのは「デジタル化に対応しないとウチらもやばい(やばそう)」みたいな感じだろうか。

「既に影響が出ている」成長速度は速いね。こういった危機感が現場にもあるから、システナのようなDX企業が好調なんだろうな。

これは「DXの進展具合を米国企業と比較してどうか?」と聞いたアンケート調査の結果。2018年の時点で80%くらいが「米国よりもDXが遅れている」と答えている(「多少遅れていると」と「圧倒的に遅れている」の合算)。

アメリカはDXに関しても先進国である。googleなどの企業から、専門知識がなくてもDXに着手できるようなサービスがどんどん出てきている。当ブログのこちらの記事も参考になるかもしれない。

データサイエンティスト不足を解決するデータサイエンスプラットフォームという技術近年、あまり知識のない人でもデータサイエンティストっぽい分析ができる、データサイエンスプラットフォームという技術が盛り上がってきている。...

「データサイエンスプラットフォーム」は機械学習を用いた分析業務の一部を自動化し、一般ビジネスユーザーでもデータ分析を出来るようにするサービスの事。

こういったサービスが米国企業からどんどん出てきているので、それを活用してDX化が加速している。

こういった技術を日本でもどんどん活用していくことが重要だろう。ただし、こういった技術の発表は米国で行われるため、日本企業の場合は出遅れがち。出遅れるだけにとどまらず、サービスの存在を知る機会すらないパターンも多いと思う。

現状、米国企業のサービスをシステナのような企業が仲介して、日本の企業に導入するといった形が多くなっている。自分で専門家を揃えてサービスを導入できている所はかなりレアな気がする。

「米国企業 ➔ 日本のサービス導入補助企業 ➔ 日本企業」 という流れでサービスを導入してるので、米国企業と比べるといろいろとタイムラグが生じてしまう。これでは差が開く一方だろう。

日本初のDXサービスが出てくるのが理想的だ。日本のDX企業が自社サービスをどんどん営業する形にしないと、米国との差は縮まらないだろう。

もちろん自前でITリテラシーの高い人材を揃えて、米国発のサービスを素早く導入できるようになれば最高だが、一部の大企業しかムリだろうな。

調査結果のいろいろ

多くの企業が「ビジネス変革の必要性」を強く認識

□今回実施したアンケート調査において、AIやIoT等のデジタル技術の普及による自社への影響を尋ねたところ、「自社の優位性や競争力の低下」を懸念する声が最多となった。また、東証一部上場企業のような国内のリーディング企業であっても、現在の競争力を維持できる年数はそれほど長くはない(半数程度の企業が約5年後まで)と認識していることが明らかになった。

□このようなビジネス環境の中、約6割の企業が、既存ビジネスの変革や新ビジネスの創出の必要性を「非常に強く」感じている

「IT技術の進化は速い」とよく言われるが、現場の人間もそれを実感しているということか。

現状維持ではせいぜい5年しか優位性を保てないので、どんどん進化することが求められる。その手段の一つがDX(IT技術の活用)なのだろう。

DXに取り組んでいる企業に対して具体的な取り組み内容を尋ねたところ、最も多い取り組みは「業務の効率化による生産性の向上」であり、DXの本来の目標に近い「新規製品・サービスの創出」は半数程度であることが明らかになった。

「業務の効率」がIt活用のイメージとして分かりやすく、そういったサービスも多い。

効率化のためのIT導入は、すでにあるサービスを活用すればいいのでまだ楽なほうなのだろう。IT関連技術への深い理解はいらないことも多いと思う。そういったサービスがあることを「知っているか、知らないか」だけがポイントであることも多い。

一方、「新規製品・サービスの創出」については、IT技術への理解が必要だ。こちらは体力のある企業でないと難しそう。

デジタル時代に向けた組織やビジネスの根本的変革を目指すDXの取り組みは、成果を創出するための難易度が高く、時間を要する場合が多い。しかし、こうしたDXの取り組みを着実に継続することで、その成功率を向上させ、我が国全体としてのDXの取り組み成果を拡大していくことが期待される。

求められる知識が幅広すぎるのがDXに着手する上での難点だ。しかし、こういった点をクリアするサービスがベンダー企業からリリースされているので、うまく活用することが鍵になるだろう。先程紹介した「データサイエンスプラットフォーム」もその一つだ。

うまく活用できない企業に対しサービスの導入をサポートする業務や、自前のDXサービスを開発して企業に売り込む業務は、大きな需要があるはず。そういった事をやる企業が伸びてくるのではないだろうか。

次のような調査結果を見る限り、自分だけでは難しいことを理解している企業は結構いるようだ。

<設問> 貴社では、DXを推進する上で、他社や社外の組織との連携がどの程度必要だと考えていますか。

成果の高い組織は「DX専門組織」を設置

本気でDXを推進しようとしている企業は、そのための専門組織を社内に設置している場合も多く、そのほうが成果も高いとのこと。

既存の情報システム部門に丸投げするだけでは、とてもDXに対応できない。そのように考えている企業が多いのだろう。

企業はこういった情報をどんどん開示すれば、投資家にとっても有益なのではないだろうか。

「DX推進人材」は大幅に不足

だろうな。これは日本だけではなく海外でも共通する事実だ。

特に「プロデューサー」や「データサイエンティスト/AIエンジニア」 、「ビジネスデザイナー」、「アーキテクト」については、「大いに不足」という回答が半数前後に達している。

このように大幅に不足するDX推進人材の確保・育成も、今後の大きな課題として挙げられる。

これらの人材不足は簡単には解決できなさそう。求められる知識レベルが高すぎて育成にコストがかかりすぎる。育成しようと思っていた人材が挫折する可能性も高いだろう。

なので、データサイエンスプラットフォームのような、普通の人が知識がなくてもデジタル技術を活用できるような技術の開発に力を入れると良いと思う。めちゃくちゃ売れるとおもう。

ただし、それでも今以上にITリテラシー教育に力を入れる必要はある。IT技術を使えても、それらを成果に結びつけるためには、最低限のIT教養が必要だろうからね。

投資家の理解も必要だと思う

 今回の調査では、多くの企業が取り組んでいるDXは、現状では「既存業務の効率化」が主流であり、「新規製品・サービスの創出」等の将来のデジタル市場で勝ち残るための「本来のDX」とはやや乖離があることが把握された。こうした状況から脱し、DXの成功に向けた第一歩を踏み出すためには、まずは、企業としての将来に対する強い危機感を具体的な行動に移すために、ある程度の失敗を想定・許容しつつ、新たな挑戦を始めることが重要であるといえる。

 また、 「新規製品・サービスの創出」等の「本来のDX」に取り組み始めた企業にとっては、その取り組みが成功するまでに時間を要することが課題として明らかになった。将来のデジタル市場で勝ち残るために組織文化やビジネスモデルを根本的に変革する「本来のDX」は難易度が高く、容易には成功しない可能性が高い。よって、このような難しさを認識しつつも、漫然と取り組みを続けるのではなく、失敗要因を分析する、取り組み方を変える、評価指標を変えるなどの試行錯誤や工夫を重ね、徐々に成功の確率を高めていくことが重要である。DXの実現に向けては、“不確実性に対する辛抱強さや柔軟性”を備えた新たなマネジメントが求められる。

この辺の話は、投資家の意識改革も必要かもな。短期思考の投資家が多いと、ここに書いてあるような話は推進できないだろう。

DXには時間がかかること、成功した時のリターンが大きいこと、DXの着手しないのは大きいリスクであること。これらを投資家が理解する必要がある。DXに着手していない企業にマイナス評価を与えるくらいの投資家が増えれば、日本企業のDX化も進行していくはずだ。

企業側も投資家を説得するように努力をする必要がある。伊藤レポートでも重要視されていた「企業と投資家の対話」が重要になってくるだろう。

またこんなデータもある。

<設問>貴社では、現在、人工知能(AI)やIoTなどのデジタル技術の活用に関する具体的な戦略や計画・目標等を策定していますか

中期経営計画にDX推進を盛り込んでいる企業を、投資家が高く評価するようになれば、企業の意識も変わってくると思う。現在は30%くらいしか中期経営計画に盛り込んでいないが、もっと増えてほしいと思う。