次のようなニュースをyahooで見た。
記事の内容を要約するとこんな感じ。
- 世界の15歳を対象に実施した調査で、日本は「読解力」の分野で15位
- 前回は8位だったので、大きく順位を落とした
- 日本の生徒が、デジタル機器を「利用しない」と回答した生徒はおよそ8割で、OECD加盟国で最も多い。
どんな調査の結果なのか
これは世界の15歳を対象に3年ごとに3分野の力を調べる学習到達度調査(PISA:ピザ)の結果だ。その中で読解力の平均点が落ち、順位が前回の8位から15位に下がったと言うのが今回の記事である。
読解力を図るために、ウェブサイト、投稿文、電子メールなど多様な形式のデジタルテキストを読んだ上で、情報を読み比べたり事実か意見かを見定めたりする能力などを図る問題を解かせるという方法をとっている。調査方法が今回から上からコンピューターを使う形式になったらしい。
問題を解くと言っても、選択肢から選ぶタイプだけでなく、文章を打ち込んで回答する設問もある。
結果から見えるもの
記事によると、
特に、異なる立場から発信された複数の課題文から、必要な情報を推測し探し出す設問や、自由記述の形式で自分の考えを根拠を示して説明する設問などで、OECD平均点数を下回ったという。
ということらしい。
コンピュータを使いネット上の大根拠を示して考えをまとめる自由記述形式が弱い、ということは自分で考える力や表現力が伸び悩んでいるということだろう。
文部科学省によると
- 日本の生徒はコンピューターを使った回答に不慣れな点
- SNS等の普及で長文に触れる機会が減っている事
が要因らしい。これらについてちょっと考えてみる。
文部科学省の分析を考察
「日本の生徒はコンピューターを使った回答に不慣れな点」
たしかに、慣れない形式で回答を求められれば、本来の実力を発揮することはできないだろう。私もブログ執筆で不慣れなアウトプットをしているが、なかなか難しい。
これに関してはなれることが重要だろう。私もブログ開設から1週間以上経って、要約キーボードによるアウトプットに慣れてきた。慣れていないと操作に気を取られ、アイデアが出てこないなどはよくあることだと思う。
したがって、日本の生徒がコンピュータの操作に慣れればある程度の点数底上げは可能だと思う。授業でデジタル機器を使う時間もOECD加盟国の中で最下位だということで、伸びしろは十分にあるだろう。
SNS等の普及で長文に触れる機会が減っている事
ここでいう「SNS」とはLINEやTwitterのことだろう。
Twitterは短文で投稿できる手軽さが売りだ。ブログなどと比べ気軽に投稿できる。
LINEも気軽さが売りのSNSだ。メールだと形式を気にして長文を書きやすいが、LINEならそうでもない。スタンプなどを使えば1文字も入力せずに意思疎通することさえできる。
いずれにしても、手軽さをウリに普及したSNSだ。これらの普及により長文を読んだり書いたりする機会が減ったのは確かだろう。
しかし、他の国は違うのだろうか。手軽な情報発信が流行っているのは日本だけではないはず。順位が下がった根本的な原因ではないような気がする。
もっと他の原因があるのでは?
日本人は昔から自分で考えるのが苦手だと言われてきた。
選択肢問題は得意でも、論述問題が苦手というのは昔から言われていたことだと思う。また、暗記が得意で情報を鵜呑みにする人が多いというのも昔から言われていた。
日本の教育は暗記が重視されている。ここを変える必要があると思う。高校や大学の単位も暗記だけで簡単に取れてしまう。もちろん暗記も重要だが、暗記した知識から自分の意見をひねり出す訓練が必要だ。
意見を洗練させるにはいろいろな知識が必要であり、たくさんの意見や文献に触れる必要がある。そういった中で、読解力が身についていくのだと思う。
そのためには大学受験を変える必要があると思う。高校が暗記重視の授業なのは大学受験が暗記重視だからだろう。大学受験が変われば高校や予備校なども変わる。ここらへんは大変競争が激しいので、読解力が必要な大学受験問題を用意すれば、読解力を身につけるためのテクニックを身につけるための方法を必死に研究してくれるだろう。
また、正解っぽい情報をスパッと言ってくれる人をありがたがる流れなのも原因かもしれない。
グーグルで検索して上位に出てくるのは「〇〇するための8つの方法」「〇〇ランキング」もみたいな、答えっぽいものにサクッとありつけるサイトが多い。これらも見比べて考えるのならばいいが、検索最上位のサイトだけ見て「答えゲットだぜ!」みたいになっているとやばい。
これがいかにヤバイ事なのかを教え、いろいろな情報を比較する癖をつけることが大切だと思う。