サンプリング周波数40kHz,量子化ビット数16ビットでA/D変換したモノラル音声の1秒間のデータ量は,何kバイトとなるか。ここで, 1kバイトは1,000バイトとする。
ア 20
イ 40
ウ 80
エ 640
「標本化(サンプリング) ➡ 量子化」の流れについて理解しているのかを問う問題。アナログデータをデジタルデータに変換するための作業であるから(Analog ➡ Digital)、この作業はA/D変換ともと呼ばれる。
用語解説
標本化とは、アナログデータを一定時間ごとに区切って測定し、測定した時間ごとの信号レベルを標本として抽出する作業の事である。ビデオ映像でいえば、コマ送りをした際に、各コマを画像として抽出するイメージだ。
サンプリング周波数(標本化周波数)は、一秒間に何回データを抽出するかという指標である。問題の場合はサンプリング周波数が40kHzということなので、1秒間に40,000回標本を抽出することになる。サンプリング周波数は値が大きいほど細かくデータを抽出できるのでより正確なデジタルデータを作ることができるが、その分だけデータ量が大きくなってしまう。
量子化とは、デジタルデータを何段階で(何ビットで)表現するのかを決定し、当てはめる作業のことである。問題の場合は「量子化ビット数16ビット」ということなので、デジタルデータを16ビット(216 = 65536段階)で表現するというわけである。量子化ビット数は大きいほど正確なデジタルデータを作れるが、その分だけデータ容量が大きくなってしまう。
問題の解き方
先に説明した通り、サンプリング周波数と量子化ビット数が大きければ大きいほど、得られるデジタルデータの容量は大きくなる。なので、二つを掛け合わせることでデジタルデータの容量を求めることができる。
40×16 = 640[kビット]
ということで、得られるデジタルデータの容量は640kビットとなる。
しかし、ここで「エ 640」を選ぶとミスになる。求めなければならない回答は「何kバイトか?」であり、「何kビットか?」ではないからだ。この手のひっかけはよくあるので疑ってかかる必要がある。
1バイトは8ビットなので、求める回答は
640 ÷ 8 = 80[kバイト]
したがって、正解はウである。
類題
これは、今回の問題にサンプリング時間と圧縮率のパラメータが問題分に追加されている。ほんのちょっとだけ応用的な問題。
これは標本化定理に関する問題。標本化について理解したらこちらもすぐに理解できるはず。