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インターネットとWebって何が違うの? 混同しがちな2つの用語を解説

普段はインターネットのことを「ネット」、Webサイトのことを「Web」と呼んだりしているが、使い分けている人はあまり居ないだろう。そのため違いがよくわからなかったりする。

そこでインターネットとWebの違いについて解説し、お互いがどのように結びついているのかを解説する。

Webとは

まずはWebについて解説する。

普段私達が「Web」と呼んでいるものは、正式には「World Wide Web(WWW)」という。「世界中に広がる蜘蛛の巣」と訳すことができる。これは文書の公開・閲覧を便利にするために発明されたシステムだ。

Webは1989年にCERN(欧州原子核研究機構)のティム・バーナーズ=リーにより開発された。結構最近だ。

webページはハイパーテキストと呼ばれる言語で構成されている。ハイパーテキストにはハイパーリンクと呼ばれるという、webページ同士を参照するためのリンクを埋め込むことができる。

ポケモンで例えれば、ロケット団のアジトやヤマブキジムのような感じだ。ワープパネルがハイパーリンクに相当する。ワープパネルに乗っていろんな部屋(Webページ)に飛ぶことができる。

Webページに表示されるリンクをクリックして、次々と別のWebページに移動することができる。みなさんもwikipediaで調べ物をしていたら、関連情報をクリックしているうちに全く関係ないページに辿り着いてしまった経験はあると思う。これがWebのすごいところだ。

テキストに埋め込まれたリンクを辿ることで、最終的には世界中のあらゆるWebページに行くことができる。テキストとテキストが蜘蛛の巣のように広がっている。そういう意味で「world wide web(世界中に広がる蜘蛛の巣)」と名付けられた。

現在もwebページは増加し続けており、蜘蛛の巣の規模はガンガン拡大している。この巨大な蜘蛛の巣を辿ることで私達は様々な情報を得られるようになったのだ。

テキストを超えたすごい便利なテキスト。ハイパーテキストとはそういう意味なのだろう。

イメージとしてはこんな感じ。5つのwebページがHyperTextで記述されており、ハイパーリンクで移動できる。この場合は5つしかページがないのでクモの巣感はないが、実際は1兆以上のwebページが存在するのでもっとグチャグチャである。

インターネットとWeb

インターネットの歴史

次はインターネットについて説明しよう。

インターネットの原型はARPA(アメリカ国防省の高等研究計画局)によって開発されたARPANET(アーバネット)である。各地にあるコンピュータ同士をネットワークで繋げるために開発されたものだ。コンピュータ同士をネットワークで連結することで、どれかが災害でダウンしても、連結されたシステムとしては機能し続けられるようにすることが狙いだった。

ARPANETは徐々に拡大した。通信方式を改善し世界各地の拠点と接続できるようにして、インターネットが誕生。世界中に広まるようになった。

ただし、当初は回線接続にかかるコストが高額だったため、インターネットはお金持ちの企業や研究機関が活用するにとどまった。

時を経て、技術が進歩するにつれて回線接続コストは下がっていった。それにつれて一般人んにもインターネットが広がり始めた。

この頃にWebが誕生して、インターネットとWebの技術がうまく絡み合い爆発的に普及することとなった。

インターネットとWebの違い

インターネットコンピュータとコンピュータをネットワークに接続するシステムである。ネットワークを世界中に拡張するための技術と言えるだろう。

一方、Web同じネットワークの中にあるWebサイト同士が接続できるシステムである。別のネットワークにあるWebサイト同士は接続できない。

図を使って説明しよう。

インターネットに接続されていない場合

この図ではサーバXとサーバYはインターネットに繋がれていない。

この時サーバXの中にあるWebページA~Cはそれぞれハイパーリンクによって移動できる。サーバYの中にあるwebページD~Fも同様だ。

しかしサーバXとサーバYはネットワークに接続されていないので、例えばWebページAからWebページDに移動することはできない。

つまり2つの小さなクモの巣(Web)があって、2つのクモの巣(Web)は繋がっていないのだ。

インターネットに接続されている場合

ピンクの枠がインターネットのイメージである。このピンクのインターネットの中に2つのサーバを放り込むと、それぞれのサーバの中にあるWebページ同士をハイパーリンクによって移動することができるようになる。

インターネットとWebの相乗効果

インターネットに接続しない場合の画像と、インターネットに接続する場合の画像を見比べてみると、移動ルートは6本から17本へ増えた。移動パターンは3倍近くに増えたことになる。

インターネットに接続することで2つのクモの巣が一つの大きなクモの巣になった。しかも網の密度(移動パターン)は2倍以上となった。これがインターネットとWebの相乗効果である。

インターネットとwebの違い:まとめ

この記事ではwebとインターネットの成り立ちから説明し、2つの違いについて解説した。

webとインターネットはそれぞれ別の技術であるが、普及し始めた時期がに似ていて、相乗効果で発展していったため、ユーザーである私達がそれぞれを区別する機会はあまりなかった。そのため、「何が違うんだっけ?」となりがちである。

おそらくIT系の職につく人以外はよくわからないままでも問題ないと思う。IT系の人でも専門の人以外は区別せずに適当にやっていても問題にはならなさそうだ。

しかし、ITの土台である両技術の違いについてよく知らないのは、先人たちに失礼な気がするので、しっかり勉強しておきたい。私はそう思い、もう一度勉強しつつ記事にしてみた。

もっと詳しい技術面についても、これからどんどん勉強して記事をアップロードしていきたい。