経済・企業・投資

株価で未来を予測しよう マスク品薄も予測できた 次は食器用洗剤か?

株価は経済の未来を映し出します。この性質を活用すれば必須の日用品を早めに買い足すことができるという話をします。

株価チャートを動かしているのは大きな資金を株式市場に投入しているプロの投資家達です。プロの投資家は多くの情報を持っています。

企業を訪問したり、経営者や役員に直接話を聞いたり等もしますし、我々個人投資家では知りようのない情報もたくさん持っています。投資が仕事なので、銘柄分析にも多くの時間を割いています(銘柄分析専門のプロもいます)。

プロの投資家“いい業績が出そうな企業”の株を個人投資家と比べて早い段階で買い集めます。そうすると実際にいい業績が出る前(決算などで発表される前)に株価が上昇します。

株価が上昇すると、なぜ上昇したのかの解説記事などが出回ります(一般投資家にとってはありがたい!)。銘柄名をヤフーファイナンスなど検索すれば見つかります。それを読むとどういった思惑で株価が上昇したのかが分かります。

ヤフーファイナンスで「本日の材料と銘柄」とニュース検索すれば、株価上昇に繋がりそうなネタを解説してくれる記事が見つかります。これを活用するのも良いでしょう。例えばこんな感じ↓

出典 – ヤフーファイナンスのニュース検索

 

上昇理由の中には「〇〇の需要が大きく上昇する考えられるため」というものがあり、○○を販売している会社だけでなく、原料メーカーなどの関連会社の株価も上昇していることが多いです。

○○の部分がお店で買える商品だった場合、品薄になる恐れがあります。株価が上昇した事そのものがきっかけとなるわけではないですが、プロの投資家がその商品が大きく売れることを見込んで株を購入しているため、高い確率でその商品は売れます。

もし自分にとって必要不可欠な商品が大きく売れる予想であった場合、早めに買い足ししておくと良いと思います。株価が上昇した直後は、「普段よりは売れているけどまったく買えないほどではない」ということが多いです。素早く行動すれば買えないという事はないでしょう。

また、株価が強く、長く上昇するほど品薄になるや度合いや期間が長くなると考えられます。

マスク関連銘柄は1月から上昇していた

マスクメーカの重松製作所や興研、マスクの材料メーカーの川本産業などは1月上旬の時点で株価が上昇し始めていました。その後、1月中旬から2月上旬にかけて大きく上昇しました。

出典 – ヤフーファイナンス

 

出典 – ヤフーファイナンス

 

出典 – ヤフーファイナンス

 

1月上旬といえば「新型コロナウィルスが中国で蔓延してるよー」くらいのニュースが流れていた頃です。この頃はまだ日本に感染者は出ていませんでしたね。マスクも普通に買えました。

株価を見ていれば予測してマスクを購入することもできたはずです。株価は株を買って儲けようとしている人以外でも見る価値があるんですね。

後述しますがこの手の”思惑”は外れることもあります。もしかしたら新型コロナウィルスは中国で封じ込められて日本では蔓延しなかった可能性もあります。そうした場合、株価は一気に上る前の水準まで下がり、マスクの品薄も問題にならなかったでしょう。外れる可能性を考慮して、自分が保管し使い切れる分だけ確保するのが懸命です。

プロ投資家の予想は外れることもある

いくら知識量と情報量の多いプロの投資家でも、予測を外すことはままあります。なので、外れるリスクを考慮して行動しなければなりません。

株価がいったん上昇しても、その後に投資家達が思うような展開が訪れないこともあります。上昇理由が「△△になるとしたら○○の需要が大きく上昇する」となっていた場合、「△△になるとしたら」の部分が外れると株価は一気に下落します。要は当てが外れたわけです

その場合「○○の需要が大きく上昇する」の部分も外れるので、品薄になる恐れはなくなります。パニックになって必要以上に買ったり、転売目的で大量に買い込むのは株を買うのと同様にリスクを伴います。なので、よく考えて自分に必要な最低限の買い物をするのが無難です。

過去にエボラ出血熱の拡大が進行していた時に、「エボラがさらに広がった場合、防護服の需要が大きく上昇するだろう」として、防護服販売会社のアゼアスの株価が急上昇しました。しかし、実際に大きくエボラ出血熱が拡大することはなく、株価も一気に萎んででしまいました。防護服を買い込む転売ヤーがいたとしたら大損だったかもしれませんね。

出典 – 『株を買うなら最低限知っておきたい 株価チャートの教科書』

 

「思惑で上昇」というのは、事実が公表される前に「こうなるだろう」と予測して、それが原因で株価が上昇することです。

ちなみにアゼアスは今回のコロナショックでもエボラの時と途中まで同じような動きをしていました。しかし、新型コロナウィルスの蔓延が本格化しているため、途中でまた大きく株価が上昇しましたね。

出典 – ヤフーファイナンス

 

アゼアスの2つにチャート、似ています。新型コロナはエボラと違って本格化してしまったので、最近のほうは盛り返しました。

どんなに強い材料があっても、利益確定に押し返されて一時的には株価が下がります。そのご押し戻せるかが思惑が外れた場合と当たった場合で大きく違うところです。

現状品薄の恐れがあるのは食器用洗剤

一つ、近いうちに品薄になる恐れがあるものを紹介しておきましょう。

この記事は2020/04/19に執筆してます。この時点で株価が伸び始めの傾向を見せているのは食器用洗剤関連の銘柄です。消毒用アルコールの品薄が解消されないため、食器用洗剤で代用する動きが広がっているためです。

経済産業省は食器用洗剤が新型コロナウィルスの消毒に有効かどうかの実証実験を行うと発表しました。

この発表が株式市場への刺激になって株価が上昇しました。洗剤メーカのライオン、洗剤に含まれる界面活性剤メーカーのスガイ化学工業、洗剤を入れる容器メーカーの竹本容器などが大きく上昇しました。

 

出典 – ヤフーファイナンス

 

出典 – ヤフーファイナンス

 

出典 – ヤフーファイナンス

 

こういった動きから台所用洗剤が大きく売れるかもしれないということが予測できます。すでに買い占める動きも出ているようですが、まだ国民全体にニュースが浸透しきっていないので余裕があります。

食器用洗剤に関してはマスクのように継続的に品薄になることはないと予想します。アルコールやマスクと違ってほぼすべての家庭が一年中を通して使用するものです。十分な生産体制が整っているはず。買い占める必要はないでしょう。

しかし、ティッシュやキッチンペーパー等のように、一時的に商品棚が空になるような事はありえます。ですから、家の在庫がほとんどない場合、早めに3ヶ月分くらいは確保しておくと良いと思います。そんなに大きくないですし腐りませんが、大量にあると邪魔ですからね。

2020/04/23追記:洗剤にも購入制限を儲ける動きが出てきました

ヨークベニマルで食料品を買いに行ったら、食器用洗剤売り場に次のような張り紙が貼ってありました。

「食器用洗剤」のご購入について

現在、大幅に需要が上がり、一時的に供給がおいついていない状況となっております。
お客様へはご迷惑をお掛けし、大変申し訳ございませんが、より多くのお客様へ商品が行き渡るよう、現在販売数量に制限をかけさせていただいております。

【食器用洗剤】
一家族様 計1個限り

商品棚がスカスカになっているということはありませんでしたが、早めの対応を仕掛けてきたのでしょう。いいことだと思います。安い時にまとめ買いできないのは不便ですが、仕方ないですね。

株価で経済を先読みしましょう!

先程も述べましたが、株価をチェックすることは株で儲けようと思っていなくても有益です。ビジネスにも応用できるでしょう。

どんな銘柄の株価が伸びているのかを見れば、将来流行るものを予測できます。ワークマンが流行ることや、ユーチューバーが席巻すること(UUUM株などの上昇から)ことを可能性として頭にいれる事ができました。

エンジニアなら、どの技術が先行き有望なのかを読むのにも活用できるでしょう。株価が伸びている情報関連の企業をチェックして調べてみるといい勉強になるはずです。

ブロガーなら、次に流行るものを予測し早めに唾を付けることが可能になります。

実際にお金を投資しなくても、どの企業の株価が伸びるのかを考えるのはいい勉強になります。しかし、お金を投じればさらにアンテナが敏感になるでしょう。無理のない範囲で投資をするメリットがここにあります(ただし、いまは株価が不安定なので、新しくチャレンジして儲けるには厳しい環境だと思います。現金を投じるのは様子見推奨)。