従来のサーバが個別に備える電源装置や外部インタフェースなどをサーバ間で共有し,高密度化,省スペース化を実現したサーバシステムはどれか。
ア タワー型サーバ
イ デスクトップ型サーバ
ウ ブレード型サーバ
エ ラックマウント型サーバ
選択肢を見てみると、サーバの形状による分類に関する問題であるとわかる。キーワードは「電源装置や外部インタフェースなどをサーバ間で共有」の部分である
一つずつ選択肢を見ていく。
ア:タワー型サーバ
タワー型サーバとは、高さがあって体積が大きいタイプのサーバのこと。例えばこんなやつ。
タワー型サーバの例(DELL:PowerEdge T140)
体積が大きいので、拡張性に富むというメリットがあるが、何個も連結させての活用は難しいというデメリットもある。そのため、単体での利用が基本となる。
そのため、サーバ間で何かを共有するという事は基本的にない。したがってアは×
イ:デスクトップ型サーバ
デスクトップ型サーバとは、机の上における小型のタワー型サーバーのことである。普通のデスクトップ型PCの事をイメージすればいいと思う。
基本的にはタワー型と同じなのだが、省スペースで省電力なかわりに、性能や拡張性は犠牲になっている。
タワー型と同様、単体利用が基本なので、イも×
エ:ラックマウント型サーバ
説明の都合上、先にエの解説をする。
ラックマウント型サーバとは、ラックに積み重ねて連結できるタイプの薄型サーバの事である。サイズは規格化されており、幅約19インチ×奥行き約540mmが基本である。
ラックマウント型サーバの例(DELL:PowerEdge R240)
このタイプはたくさんのサーバをラックに積み重ねて、高密度に設置することが可能。データセンターのような、大量のサーバーを設置・運用するような用途で用いられる。
電源装置や外部インタフェースについては、ひとつひとつのサーバが個別に備える必要がある。そのため、エも×
ウ:ブレード型サーバ
ブレード型サーバは、ケース状の装置にブレードと呼ばれるサーバを差し込んで利用するタイプのものである。
ブレード型サーバの例(ファナティック:RST3100-28B)
このタイプのサーバは、電源装置や外部インタフェース、冷却装置などをケース側に搭載しており、ブレード間で共有利用する。ということで正解はウである。
ラックマウント型では個別に備えていたものを、できるだけブレード間で共有することで、さらなる省スペース化を実現している。ケーブルの数が少なくて済む、電力消費が少ない、サーバの増設や保守・管理が楽などのメリットもある(下記のおまけも参照)。
かつて高密度を重視して性能面を犠牲にしていたこともあったが、コンピュータの性能が向上していった事であまり気にならなくなった。
デメリットとしては、ラックマウント型よりも値段が高いものが多いこと、共有部分が不調の際にすべてのブレードがまとめて悪影響を受ける場合があること、などがある。
おまけ:ブレード型サー”バのメリットに関するデータ
富士通が作ったブレード型サーバに関する資料を発見したので、そこに載っているデータを引用しておこうと思う。