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ドローンの機体情報の登録が義務化!その影響や今後の課題

ヤフーのトップに以下のような記事が出ていた。

ドローン機体情報、登録義務に 対象は200グラム以上(朝日新聞)

記事の内容を要約すると次の通り。

  • 政府は所有者に機体情報の登録を義務づける方針を固めた
  • 実際には来年から法律の整備を開始する
  • ドローンの飛行許可申請は年々増加
  • それに伴いドローンによるトラブルも急増している(2018年は79件)

これまでの規制について

ドローンに関する法整備について騒がれ始めたのは、2015年4月に首相官邸に放射性物質を載せたドローンが墜落したあたりからだ。このあたりからドローンそのものも世間から注目を集めるようになり、ドローンに関する法整備について議論されるようになった。

2015年12月に改正航空法

まずは2015年12月に航空法が改正され、ドローンなどの運用について、飛行可能空域飛行方法が規定された。

この画像は国土交通省のホームページから拾ってきたものである。この画像におけるA~Cの領域については国土交通大臣の許可を得なければドローンを飛行させることはできなくなった。

飛行方法についても「日中に飛行させること」など、いくつかのルールが設けられた。現在は当時からルールが少し追加されて次のようになっている(これも国土交通省のHPより引用)。

1.アルコール又は薬物等の影響下で飛行させないこと

2.飛行前確認を行うこと

3.航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するよう飛行させること

4.他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させないこと

5.日中(日出から日没まで)に飛行させること

6.目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること

7.人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること

8.祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと

9.爆発物など危険物を輸送しないこと

10.無人航空機から物を投下しないこと

要は「危険な運転すんなよ~。」ってこと。もちろんルールを破れば罰金を取られる。

それでも無許可で飛ばす人はいる

このようなルールは設けてあるものの、ルールを破ってドローンを飛ばす人はいる。

記事の中でも

飛行許可がいらない地域での故障などの軽微なトラブルもあったが、許可が必要な地域で、無許可のドローンとみられる物体が目撃される事例も目立つ。関西空港では10~11月、滑走路付近で目撃情報が相次ぎ、少なくとも4回にわたって滑走路が閉鎖され、発着便が大きく遅れるなど混乱が広がった。都内でも外国人観光客などが禁止地域でドローンを無断で飛ばして摘発される例が複数ある。

とある。

このようなルールを知らない人でもドローンは買えるし、ルールを破った人間の特定は難しい。

登録を義務化することによる効果

そこで、政府はドローンを購入する段階で登録化することにしたのだろう。

登録制にすることで、ドローンの所有者を割り出しやすくすることができ、トラブルがあった時に対応しやすくなる。賠償を請求することができるし、悪い事をした際に捕まる可能性が高くなることで悪いことがやりにくくなる。

プライバシー保護という課題

しかし、まだ解決するべき課題はある。プライバシーの問題だ。

ドローンには映像を撮影する機能が搭載されているのものが多く、そのためドローンを飛ばす際に、地上にいる人間のプライバシーをどうやって保護するかという問題が発生する。

自宅近くを飛んでいたドローンを、住民が銃で撃ち落とすなんて話もあった。ドローン撃退専用の銃弾なるものもあるらしい

今後ドローンの飛行数が増えていけば物理的な事故だけではなく、プライバシーの問題が顕著になってくるだろう。プライバシー侵害の意志がなくても、下にいる人にプライバシー侵害で訴えられたり、銃で撃ち落とされたりするリスクが出てくる。

終わりに

技術面ではなく、ルール整備面が追いつかないせいでイノベーションが遅れることはこれから多くなってくると思う。飛行ドローンについても、ルールについて急いで整備する必要があるだろう。