2020年2月24日~2月28日の一週間は、アメリカ株式は大いに荒れた。原因は新型コロナウイルスの感染拡大への懸念である。
今週のような大暴落は中々見られるものではない。今後のために記録しておこうと思う。
ダウ平均の下落
ダウ平均はこの5日連続で大幅に下落し、2回も1000ドル以上の暴落を記録した。最終的には一週間で3600ドル近く下げ、率にすると12%くらい下落した。
S&P500の下落
S&P500もダウ平均と同様に大暴落した。
リーマンショックとの比較
これは、いわゆるリーマンショックで世界金融危機が起きた2008年10月に記録した18.1%以来の下落率になります。
今から12年前の2008年9月15日に、大手投資銀行「リーマンブラザーズ」が経営破たんしたあと、世界的な金融危機となり、日米とも株価が連日大幅に下落しました。
そして10月6日からの1週間で、ダウ平均株価はマイナス18.1%という下落率を記録しました。
今週の12.3%は、それ以来で、アメリカメディアは「金融危機以来の株価下落だ」などと伝えています。
リーマンショックと同じくらいの破壊力で下落したらしい。リーマンショックの時は、リーマンブラザーズが破綻する前からジリジリと下げていた。その点で、いきなりドカンときた今回とは少し様子が違う。このまま一気に何十パーセントも下落するのは理不尽すぎるな。
このまま一気に底値まで大暴落というよりは、新型コロナウィルスをきっかけに下降相場に入り、途中でリーマンブラザーズ破綻のような経済的なインパクトの強い事件が発生して一気に底値まで突っ走る、というシナリオのほうがありえそうだ。
コロナウィルス自体は近いうちにピークアウトすると思うし、なんだかんだある程度株価も戻ると思うが、その際にどこまで株価を戻せるのかに注目だ。前回高値を超えられなければやばい。下落相場入りの可能性が高い。2007年にピークを迎えてその後下落した時もそんな感じだった。
アメリカ株式はどこまで下落するか
アメリカ株式がどこまで下落するのかについては、先日も別の記事で予想した。その時は「S&P500は3200ドルで止まらなけらば、3000ドルあたりまでの下げは覚悟する必要がある」としたが、実際に3000ドルあたりまで下落してしまった。さらに下がるのかどうかが気になるところだ。
価格帯出来高でいうと、3000ドルのあたりは出来高が非常に多くなっている。ある程度の抵抗力はあると考えられる。ここがあっさり突破されるとなると、2018年12月の安値であり、60ヶ月移動平均線にぶつかる2500ドルあたりまで下がってしまう可能性がある。これはさらに15%くらい下落するということだ。
改めてS&P500チャートを見てみよう。「三空叩き込み」+「大きな下ヒゲ」の形になっている。これは本来なら「大底のサイン」である。
チャートの形には「今が底値だ!」と主張する材料が出ているという事になる。
また、新型コロナウィルスがいち早く流行りだした中国の市場を見てみると、例えば上海総合指数は一度10%程度下落した後にV字回復をしている。
アメリカが中国と同じ動きをするというのであれば、これもまた「今がアメリカ株の底だ!」と主張する材料となるだろう。
しかし、この時は中国以外は大した被害がなかった。いまでは世界中を巻き込む騒動となっているため、中国だけの問題で下落していた当時の動きがそのまま反映されるとは限らない。
チャートに出ている底値シグナルについても、現地で報道されるニュース次第では、まだまだ暴落する可能性がある。そのくらい、アメリカ市場は混乱しているはずだ。ゆえにあまりチャート分析もあてにならないかもしれない。
ここに来て土日の休みが挟まる事がどう影響するかも気になるところ。頭を冷やして情報収集をした結果、「さすがに売りすぎた」「狼狽売りだったな」などと流れが変わる可能性もある。いいサーキットブレイクになるかもしれない。
終わりに
今週一週間のダウ平均とS&P500のチャートを紹介した。稀にみる大暴落であった。滅多にないことなので、学べることはここで学んでおきたい。
また、底値の予想も行った。いくつか「今が底値!」といえる材料について紹介した。しかし、常識が通用せずにまだまだ下がる場合、さらに15パーセント程度の下落は覚悟する必要が出てくるだろう。
仮に株価を戻したとしても、投資家達はナーバスになっているので、ちょっとしたニュースで再下落を始めるかもしれない。ここで買うのはなかなかにリスキーだと思う。株式投資で一番大切なのはリスク管理であることから、様子見で対応するのがベターだと考えられる。
もし、反発を読んで株を買うなら、余力の範囲で買う事だ。全力買いで大やけどを負う事は避けねばならない。