2020年4月17日、北里大学と北里研究所の研究グループはエタノールや界面活性剤を含む市販製品22点の新型コロナウイルス不活化効果を調べた結果、21種類について効果が期待できると発表しました。
医薬部外品および雑貨の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化効果について(北里大学プレスリリース)
北里大学大村智記念研究所 ウイルス感染制御学研究室Ⅰ 片山和彦教授らの研究グループは、市場に流通している医薬部外品・雑貨のうち、主にエタノール、界面活性剤成分を含有し、新型コロナウイルスの消毒効果が期待できる市販製品を対象に、新型コロナウイルス不活化効果を有する可能性について、試験管内でのウイルス不活化評価を実施したのでその結果を報告する。
アルコールや界面活性剤を含む洗剤が新型コロナウィルス対策に有効だろうと言われていましたが、具体的にどの商品なら効果があるのかはあまり調べられていませんでした。
界面活性剤なら何でもいいのかと思いきや、「〇〇という成分は効果が薄い」などという情報もあり、何を使うべきか悩ましいところでした。この辺の話は素人にとって難しすぎます。
今回の研究報告では成分名ではなく具体的な商品名を挙げて、効果があるものが報告されているので、一般の人にとっては助かりますね。
なお、ここで紹介された商品以外には新型コロナウィルス消毒効果がない、というわけではありません。これから研究が進んでいけば、さらに効果のある製品が明らかになってくるでしょう。
以下では私たち一般人にとって有用そうな部分をかいつまんで紹介していきます。実験方法などの詳しいことが知りたい方は先程のリンク先を御覧ください。
効果があると確認された商品
この研究では21種類の製品に効果があるとされました。それを紹介していきます。
家具用洗剤・フローロング用洗剤・洋服用除菌スプレー
家具や床を掃除するための洗剤については以下の7種類について、新型コロナウィルス消毒効果が認められました。商品名をクリックするとアマゾンの商品ページに飛べます。
- 花王 かんたんマイペットスプレー(原液)
- クイックルワイパー 立体吸着ウエットシート 香りが残らないタイプ(絞り液)
- クイックルワイパー 立体吸着ウエットシート ストロング(絞り液)
- クイックル Joan シート(絞り液)、
- クイックル Joan 除菌スプレー(原液)
- 食卓クイックルスプレー(原液)
- セイフキープ(絞り液)
- トイレマジックリン 消臭・洗浄スプレー ミントの香り(原液)
- リセッシュ除菌 EX プロテクトガード(原液)
これらの商品は、実際に使用するシーンを想定し、接触時間一分で実験したところ、効果が認められました。なので、雑巾を洗剤で濡らして2回位拭けば十分な消毒効果があると思われます。
ハンドソープなどの手指消毒製品
ハンドソープや消毒スプレーなどの手指用毒用製品については、以下の6種類に新型コロナウィルス消毒効果が確認できたとのことです。
- ハンドスキッシュ EX(原液)
- ビオレガード薬用泡ハンドソープ(原液)
- ビオレu 薬用泡ハンドソープ (3 倍希釈)
- ビオレガード 薬用 消毒 スプレー(原液)
- ビオレガード薬用ジェルハンドソープ (3 倍希釈)
- ビオレu手指の消毒液(原液)
これらの商品は、実際に使用するシーンを想定し、接触時間一分で実験したところ、効果が認められました。手を洗うときは一分くらい洗うと確実に効果がありそうです。
洗濯用洗剤・漂白剤
洗濯用洗剤については、以下の4種類に新型コロナウィルス消毒効果が確認できたとのことです。
- アタック 高浸透リセットパワー (3.5g/L)
- アタック ZERO(3000 倍希釈液)
- ワイドハイターEXパワー 液体(100 倍希釈液)
- ワイドハイターEXパワー 粉末(5.0g/L)
また、以下の1製品に関しては新型コロナウィルス消毒効果が認められなかったとのことです。
- アタック抗菌EXスーパークリアジェル(1200 倍希釈液)
これらの製品は実際に使用するシーンを想定し、接触時間10分で実験したところ、このような結果が得られました。洗濯機で普通に洗濯すれば問題なさそうですね。
効果が認められなかった製品については、なるべく別なものを使うほうが良さそうです。
食器用つけおき洗剤
食器用つけ置き洗剤については、以下の2種類に新型コロナウィルス消毒効果が確認できたとのことです。
これらの製品は実際に使用するシーンを想定し、接触時間10分で実験したところ、このような結果が得られました。使用方法の説明通りの希釈をして10分以上つけ置きすれば十分な効果を得られるようです。
エタノールの濃度と消毒効果の関係性
今回の実験では、エタノールの濃度と新型コロナウィルスへの消毒効果の関係も調べられました。結果は以下の通りでした。
接触時間:1 分
不活化効果あり:50%、70%、90%エタノール
不活化効果なし:10%、30%エタノール接触時間:10 分
不活化効果あり:50%、70%、90%エタノール
不活化効果なし:10%、30%エタノール
この結果から言えることは、50%以上の濃度エタノールなら1分程度の接触で十分に効果があるということです。一方で、30%以下の濃度では10分接触しても消毒効果は不十分ということも分かります。
「不活性化効果」とはコロナウィルスの感染力を落とす効果のことです。私達は消毒効果と同じ意味であると理解して良いと思います。
まとめ
効果があるとされた商品を紹介し、アマゾンリンクを貼りました。商品の中には売り切れていたり、需要が多すぎて取り扱いが停止しているものもありましたが、普通に買えるものもいくつかありました。
こういったデータが拡散されるとその製品に対し買い占め圧力がかかるという不安がありますが、これから研究が進んで効果があるとされる製品が増えれば、買い占め方のマークが分散され、欲しい物が手に入らない状況は改善されていくはずです。買い占める人の財力も無尽蔵ではないですから。
私はどんどん公表していくほうが良いと思っています。特に医療感関係者に必要なものが行き渡りやすくなることを期待しています。
また、新型コロナウィルス対策に使えるカードが増えるほど安心感は増すので、私たち一般市民にとってもいいことだと思います。
余談ですが、今回の研究に使用された製品は花王の商品ばかりですね。北里大学と仲がいいのかしら?
もしくは花王がとても協力的ということなのかもしれませんね。