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【データ10年分】ANA(全日本空輸)の業績推移と株価分析

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ANA(全日本空輸)の業績を10年分のデータ(2010年3月期~2019年3月期)を用いて紹介します。データはANAの決算短信から持ってきました。グラフは自作です。ANAは該当期間中に株式分割をおこなっているので、EPSや配当金などは現在の基準に合わせてあります。

業績推移を紹介した後は株価を紹介します。個人的な今後の展開予測もします。

【データ9年分】日本航空(JAL)の業績の推移を分析(企業研究ページ一覧に戻る) 日本航空(JAL)は国内線、国際線の両方で国内2位の大手航空会社です(共に1位はANA)。ANAと並...

ANA(全日本空輸株式会社)とは

ANAは国内線、国際線ともに国内首位の大手航空会社です。

後ほど紹介するデータを見ればわかりますが、ここ最近で利益を大きく上昇させていましたが、新型コロナウィルスの影響で欠航が増加した影響で2019年3月期には大きく減益しています。

新型コロナの影響を強く受けたのは最後の2か月くらいでしたが、全体の決算に大きく影響しました。1~3月は600億円近くの赤字だったようです。2020年3月期では赤字になると予想されます。

業績の分析

売上高の推移(単位は[100万円])

2010.3 1,357,653
2011.3 1,411,504
2012.3 1,483,581
2013.3 1,601,013
2014.3 1,713,457
2015.3 1,791,187
2016.3 1,765,259
2017.3 1,971,799
2018.3 2,058,312
2019.3 1,974,216

 

売上高は緩やかに上昇しています。新型コロナウィルスの影響を受けた2019年3月期も大して落ち込んでいません。2020年3月期ではもっと大きく落ち込むと思います。

営業利益の推移(単位は[百万円])

2010.3 67,808
2011.3 97,022
2012.3 103,827
2013.3 65,986
2014.3 91,541
2015.3 136,463
2016.3 145,539
2017.3 164,516
2018.3 165,019
2019.3 60,806

 

営業利益は売上高と比べると波があります。景気変動株らしい動きですね。

売上高は新型コロナウィルスの影響をあまり受けていませんでしたが、営業利益はガッツリ影響を受けてしまっています。次は赤字になる可能性が高いです。

売上高営業利益率の推移(単位は[%])

2010.3 5.0
2011.3 6.9
2012.3 7.0
2013.3 4.1
2014.3 5.3
2015.3 7.6
2016.3 8.2
2017.3 8.3
2018.3 8.0
2019.3 3.1

グラフの形は営業利益率のグラフとほぼ同じです。売上高にあまり波が無かったからです。

2015年3月期以降は新型コロナの影響を受けるまで8%くらいで安定していました。まあまあの数字だと思います。

こちらも2020年3月期はマイナスになりそうです。

営業キャッシュフローの推移(単位は[百万円])

2010.3 203,889
2011.3 214,406
2012.3 173,196
2013.3 200,124
2014.3 206,879
2015.3 263,878
2016.3 237,084
2017.3 316,014
2018.3 296,148
2019.3 130,169

 

営業利益に対してキャッシュフローは安定してますね。安定しながらも緩やかに右肩上がりの傾向を見せていました。

2020年以降、どうなるのかに注目です。

営業キャッシュフローマージンの推移(単位は[%])

2010.3 15.0
2011.3 15.2
2012.3 11.7
2013.3 12.5
2014.3 12.1
2015.3 14.7
2016.3 13.4
2017.3 16.0
2018.3 14.4
2019.3 6.6

 

新型コロナの影響を受けるまでは12%~15%で安定しておりかなり優秀です。営業利益率と比較してみると、ANAはキャッシュをうまく稼げる企業ということがわかります。

EPSの推移(単位は[円])

2010.3 92.9
2011.3 112.2
2012.3 135.4
2013.3 54.1
2014.3 112.4
2015.3 223.6
2016.3 282.3
2017.3 417.8
2018.3 331.0
2019.3 82.7

EPSは営業利益のグラフの強弱をさらに目立たせたような形となっております。

BPSの推移(単位は[円])

2010.3 2,073.5
2011.3 2,182.4
2012.3 2,184.1
2013.3 2,138.2
2014.3 2,284.5
2015.3 2,258.7
2016.3 2,624.4
2017.3 2,954.5
2018.3 3,285.5
2019.3 3,171.8

BPSは2015年3月期までは2000円ちょっとであまり上下していませんでしたが、利益が大きく増えだした辺りから積み重ねるペースが加速しています。

2019年3月期は一応黒字でしたがBPSは下がってしまいました。急にコロナショックが襲ってきたことを考えると仕方ないのかもしれません。

ROEの推移(単位は[%])

2010.3 4.7
2011.3 5.3
2012.3 6.6
2013.3 2.5
2014.3 5.1
2015.3 9.8
2016.3 11.6
2017.3 15.1
2018.3 10.6
2019.3 2.6

ROEも利益の変動と同じように推移しています。2015年3月期以降は10%~15%くらいで推移しており好調でした。

配当金の推移(単位は[円])

2010.3 20
2011.3 40
2012.3 40
2013.3 30
2014.3 40
2015.3 50
2016.3 60
2017.3 60
2018.3 75
2019.3 0

配当金も利益の推移と大体同じですね。2013年3月期に調子が悪かった際には減配もしています。あまり無理して配当を出すことはないようです。

2019年3月期は新型コロナウィルスによる影響で一気に無配となりました。これは賢明な判断だと思います。そして、とてもやばい状況であることが伺えます。

配当性向の推移(単位は[%])

2010.3 21.5
2011.3 35.7
2012.3 29.5
2013.3 55.5
2014.3 35.6
2015.3 22.4
2016.3 21.3
2017.3 14.4
2018.3 22.7
2019.3 0

先ほど「無理して配当を出すことはない」と言いましたが、配当性向が不安定なところを見ると、ある程度は頑張って配当を出してくれるようです。個人的には無理せず配当性向が一定になるようにしたほうが良いと思いますけどもね。

2015年3月期以降は20%くらいで安定していました。調子が良くなってちゃんとした配当計画を立てられるようになったのでしょう。

株価とチャートの分析

ヤフーファイナンスのチャートをお借りして、3カ月チャートと10年チャートを紹介します。

【3カ月チャート】

【10年チャート】

3カ月チャートを見ると、コロナショック以降継続して下降トレンド入りしていることが分かります。

10年チャートをみると、新型コロナショックで全体相場が大きく下落した2020年2月にから大陰線をつけて下落し続けています。

10年チャートを見るとかなり強い勢いで下落しています。ある程度戻るかもしれませんが、その場合も何かしらの移動平均線にタッチ下辺りでもう一回下落しそう。

株価の割安度指標を見てみると、PERが0.00倍、PBRが0.71倍、配当利回りは0%となっております(2020/05/06現在)。利益予想は発表されておらず無配なので。PERと配当利回りは0となっています。

PBRを見るとまあまあ割安ですが、BPSは更に下がると予想されるので、この数字を当てにしてはいけないと思います。

個人的には今手を出そうという気にはなれませんね。一時的に戻るところを狙うにしても5日移動平均線と25移動平均線のゴールデンクロスが出るまでは厳しそうです。

今は下降ペースが穏やかになっていますが、底値確認という感じではないのでまだまだ様子見が続きそうです。長期投資で狙うならスルーが安定でしょう。

既に株を持っていて損切りできない人は、4月6日につけた2100円あたりの安値を割ったら損切りしたほうがいいかも。戻すとしてもキリのいいところですぐに下降トレンドに戻りそうなのであまり欲張らないほうが良いと思います。

ANAの分析:まとめ

ANAの業績分析を行いました。最近まではなかなかに調子が良かったのですが、新型コロナの影響を受けて大幅減益、配当も無配となり2020年3月期は赤字の可能性が高いです。

再び上昇するまでどのくらい時間がかかるのかわかりません。いま株を買うのはなかなか難しいと思います。最悪の持っていても意味のない株になる恐れも無くはないですからね。

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